変形性股関節症とは
股関節の臼蓋側および大腿骨側の両方の関節軟骨の退行変性が原因で、骨棘の形成、軟骨下骨の硬化、骨嚢胞の形成などの変化が起こり、疼痛、跛行、関節拘縮が起こる疾患です。
原因
股関節の老化現象(退行性病変)
・分類
一次性:基礎疾患がないもの
二次性:基礎疾患の後に続発したもの
先天性股関節脱臼、臼蓋形成不全、ペルテス病、股関節脱臼・骨折後など
※先天性股関節脱臼、臼蓋形成不全は女児に多いため変形性股関節症は女性に多い。
症状
疼痛(股関節を基本に臀部、大腿部、膝上部など)
荷重時・運動時痛から安静時・夜間時痛へと変化する。
跛行(逃避性跛行、墜下跛行)
逃避性跛行:股関節の疼痛を増強する、患側への荷重時間を減らそうとして、立脚期を短くする歩行。
墜下跛行:股関節外転筋力の低下により骨盤が傾斜するためにおこる歩行。
(トレンデレンブルグ歩行)
症状の進行
前期
臼蓋形成不全
初期
軟骨への負担や衝撃が強まることで軟骨下骨の硬化がおこる
進行期
臼蓋部または大腿骨頭部の骨内に、丸い空洞ができる嚢胞形成がおこる
末期
反応性の骨増殖が起こり骨棘が形成される
治療法
保存療法
股関節に対する免荷:杖の使用、体重減少、日常動作の負担軽減
運動療法:中殿筋・小殿筋等の外転筋の筋力強化
薬物療法:消炎鎮痛薬
手術的療法
骨盤側の臼蓋形成術、骨盤骨切り術、大腿骨側の骨切り術、人工股関節置換術