突き指

　指に対して長軸方向に外力が働くことで、腱や靭帯、骨に損傷を生じることがあります。ボールを使った競技や、普段の日常生活の中でも多く見られる外傷です。

　軽視されがちですが重症のものだと脱臼や骨折を伴う物もあるので適切な判断、処置が必要になります。

①脱臼を伴う突き指

　骨をつなぐ靭帯を損傷し、骨が正しい位置から逸脱してしまう状態です。

②腱の断裂を伴う突き指

　末節骨に付着している伸筋腱が断裂することで指の第一関節が伸ばせなくなる状態です。

③骨折を伴う突き指

　直接的な外力による骨折や、腱や靭帯の牽引力により骨がはがされるような剥離骨折があります。

　指を曲げたり伸ばそうとすると強い痛みを伴い、動きが制限されます。骨折や脱臼を伴っているものだと外見上の変形が見られるものもあります。

　損傷の重症度によって期間は異なりますが、基本的には固定、安静、冷却を行います。特に損傷初期の固定、安静は重要でその後の予後に影響します。固定は包帯固定や硬性・軟性材料、テーピングを使用して行います。

　また、靭帯の完全断裂や骨折を伴う場合、観血療法の適応となることがあります。

　物理的に刺激をすることで治癒力を促進し、早期回復を目指す治療へと変化しています。

• 超音波治療

微弱な超音波によって患部に微細振動を照射し細胞間の組織液を促し、自然治癒力を高める。

• マイクロカレント

生体内に流れる電流と同様の微弱電流を人工的に流すことで細胞組織の修復を行う。