フットボーラーズ・アンクルとは
フットボーラーズ・アンクル(=衝突性外骨腫)とは、サッカー選手に多く発生する足関節の障害です。足の甲でのキック動作やバスケットボールのジャンプ時などで足関節の底背屈運動が強制され、足関節前方に骨棘が出現して症状を誘発します。
原因
骨棘とスポーツ障害
足関節底屈強制
関節に負担のかかるキック動作を伴うサッカーやラグビー、バレエのつま先立ちなどは足関節の底屈強制に伴い、前方の骨に付着する関節包に伸長ストレスがかかり、炎症をきたすと共に過度な修復機転として骨棘を形成します。
足関節背屈強制
ジャンプ着地で足関節の背屈が強制されやすいバレエ・バスケットボール・バレーボールや器械体操などのスポーツで、骨同士が衝突(=インピンジメント症候群)して症状を誘発します。骨同士が衝突すると骨軟骨の損傷をきたし、過度な修復機転として骨棘が形成されます。
足関節の不安定感と関節内遊離体
過去に足関節捻挫を経験した選手では、関節の不安定性(距骨の動揺性)が増すため骨同士の衝突が過度に生じて、骨棘形成・関節包滑膜の増殖をきたし疼痛などの症状が増悪します。症状が悪化すると骨棘が骨折をきたし、関節内に遊離(関節ねずみ)して激痛を誘発する原因になります。
症状
- 足首前方の痛み・圧痛
- 底背屈時の痛み(つま先立ち・ジャンプ動作等)
- 足関節のつまり感・ひっかかり感
- 炎症による腫れ・熱感
- 歩行時・荷重時痛
- 足首前方の突出(骨棘)
治療法
基本的には保存療法だが、骨棘肥大や関節ねずみの大きさ次第では手術適応も!
初期のフットボーラーズ・アンクルは基本的に保存療法であり、運動中止・制限しながら、足首周りの筋緊張の緩和・ストレッチや患部に対しての物理療法などで炎症と疼痛を軽減させていきます。
しかし、骨棘(外骨腫)・関節ねずみが大きい場合には摘出術等の手術療法が適応になる可能性がありますが、同時にリハビリを行い足関節周囲のインナーマッスル強化、安定性・柔軟性向上などを目標に、再発しないような身体づくり目指していきます。また、ウォーミングアップやクールダウンなど日常生活でできるセルフケアも重要になってきます。
保存療法・リハビリテーション
- 下肢〜足周囲スポーツマッサージ
- 足関節モビライゼーション・マニュピレーション
- 冷罨法(アイシング処置)
- 超音波治療
- アスレティックリハビリテーション
- 鍼灸治療
- テーピング
- 干渉波・ハイボルテージ・EMS
- マイクロカレント(微弱電流波)
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コレクティブエクササイズ
アライメント不良・スポーツ時のパフォーマンス不良がある場合にはフィジカル機能に対しての修正が必要になり、効率的な統合運動能力の獲得を目指します。