シンディング・ラーセン・ヨハンソン病とは
シンディングラーセンヨハンソン病(Sinding-Larsen-Johansson病)とは、膝蓋骨下端と呼ばれる膝のお皿の下部分にある成長軟骨に炎症が起こる障害です。成長期の子どもに多く見られ、特に活発にスポーツ活動を行う10代前半の男子に発症しやすいのが特徴です。
原因
- 成長期特有の骨の脆弱性
- 膝蓋骨にかかる反復的な負荷
- ジャンプ・ランニング時の膝への衝撃
- 太ももの筋肉の柔軟性の低下
骨端症とスポーツ障害
サッカーなどの急激な方向転換やバスケットボールなどの反復的なジャンプ動作で、膝蓋骨下端の成長軟骨に炎症や石灰化・骨端線離開などが生じて痛みを誘発します。
圧痛部位や症状が似ている膝蓋腱炎とは別の病態であり、10代前半のスポーツ選手は成長過程により、膝蓋腱よりも膝蓋骨の強度が弱いため、シンディングラーセンヨハンソン病・分裂膝蓋骨・オスグットシュラッター病等の骨端症を起こす可能性が高いです。
アライメント不良とパフォーマンス
膝のアライメント(X脚・反張膝など)や足のアライメント(扁平足など)の影響で衝撃の吸収がうまくできなかったりすることで膝に負担がかかり症状を誘発します。
また、ランニング・ジャンプ動作などに身体機能が追い付いてない場合や、不良動作が見られる場合には膝に負担がかかりやすい動き(不良パフォーマンス)になってしまい、痛みを誘発します。
症状
- 膝蓋骨下端(膝蓋腱付近)の圧痛
- 膝蓋骨周囲の腫れ
- 運動時やジャンプ動作の痛み
- 膝立ち姿勢時の痛み
- 膝を曲げるストレッチ時の痛み
- 膝の可動域制限
治療法
症状が軽度であれば、運動強度を調整しながら治療を行っていきます!
シンディングラーセンヨハンソン病は基本的に保存療法であり、運動中止・制限しながら、股関節〜膝関節周囲の筋緊張の緩和・ストレッチや患部に対しての物理療法などで炎症と疼痛を軽減させていきます。
しかし、膝や足のアライメント不良・スポーツ時のパフォーマンス不良がある場合にはフィジカル機能に対しての修正が必要になり、効率的な統合運動能力の獲得を目指します。
▶︎パフォーマンス不良に対してのコレクティブエクササイズ
について
保存療法・リハビリテーション
- 下肢スポーツマッサージ
- 膝関節モビライゼーション・マニュピレーション
- 冷罨法(アイシング処置)
- 超音波治療
- アスレティックリハビリテーション
- 鍼灸治療
- テーピング
- 干渉波・ハイボルテージ
- 微弱電流波
- EMS
コレクティブエクササイズ
インソール療法