鵞足炎とは
鵞足(がそく)とは膝内側に走行する縫工筋・薄筋・半腱様筋の腱がそれぞれ付着している部位の総称です。鳥の足に似ていることが名称の由来です。鵞足と膝関節内側の摩擦によって生じる炎症的な痛みを鵞足炎と呼びます。また、ランニングを始めたばかりの人や、過度な長距離ランニングに伴う膝の障害で、「ランナー膝」と並ぶ代表的な疾患です。
原因
スポーツ障害・オーバーユース
膝の内側に強い衝撃を受けたり、ランニング・ジャンプなどの運動を繰り返し行うことで、鵞足部に負担がかかり炎症が起こります。特に、ランニングフォームが悪い場合や、長距離を走りすぎると発症リスクが高まります。
筋バランスや筋力・柔軟性不足
太ももや股関節周りの筋力が弱い、または左右の脚の筋力差が生じている場合に膝関節に負担がかかりやすく、鵞足炎を発症しやすくなります。
足・膝のマルアライメント
X脚・O脚や反張膝・扁平足などのアライメント不良(機能不全)は膝の内側に負担がかかりやすいため、鵞足炎を発症しやすくなります。
症状
- 膝の内側下方5cmあたりの圧痛
- 腫れや熱感による違和感
- 膝の屈伸時の痛み
- 立ち上がり・階段・歩行時の痛み
- 運動時痛
- 運動翌日の痛み
治療法
まずは炎症を抑え、再発防ぐコンディショニングを!
鵞足炎は基本的に保存療法であり、運動中止・制限しながら太もも〜膝周りの筋緊張の緩和・ストレッチや患部に対しての物理療法などで炎症と疼痛を軽減させていきます。同時にリハビリを行い、筋力強化・柔軟性向上などを目標に、再発しないような身体づくり目指していきます。また、ウォーミングアップやクールダウンなど日常生活でできるセルフケアも重要になってきます
疼痛緩和と筋緊張の除去、炎症の抑制を目的に徒手療法や鍼灸治療・物理療法を行います。
- 下肢スポーツマッサージ
- 関節モビライゼーション
- 骨盤マニュピレーション
- 鍼灸治療
- 超音波治療
- 干渉波・ハイボルテージ・EMS
- マイクロカレント(微弱電流波)
- 冷罨法(アイシング)
- アスレティックリハビリテーション
コレクティブエクササイズ
インソール療法
- テーピング
運動療法・リハビリでは殿部〜大腿部の筋力・筋バランス強化と股関節の可動域改善を行います。
アライメント不良・スポーツ時のパフォーマンス不良がある場合にはフィジカル機能に対しての修正が必要になり、効率的な統合運動能力の獲得を目指します。