シンスプリントとは
シンスプリントとは脛骨(すねの骨)の内側下方1/3の筋肉が付着するラインに沿った痛みが発生することを特徴としたスポーツ障害です。中高生に多く、硬い地面での走り込みやつま先を上下させる運動、ジャンプやステップを繰り返し行うことですねの内側(脛骨内側)下方1/3にに圧迫と張力が交互に働くことが証明されており、骨(骨皮質)になんらかの炎症反応が起きていると考えられています。
原因
オーバーユース
陸上競技で発生する頻度が最も高く、その他野球・バスケットボール・エアロビクスなど運動強度の高いものに多発する傾向があります。シーズンの始めや新入部員が集中的にハードなトレーニング始めた時など運動する環境が変わることで発症することが多いです。
足底アーチの低下
一般的に扁平足と呼ばれる状態です。足底部には3つのアーチが存在し、身体の重みや衝撃の吸収を行なっています。この足底アーチが低下することで本来吸収されるべき衝撃が直接脛骨にかかったり、下腿の筋群で代償しようと過度の負荷がかかり筋付着部や脛骨に炎症を起こします。
オーバープロネーション
足部の過回内(過度に内側に倒れる)によって脛骨に圧迫力と回旋力がかかり脛骨内側部に炎症が発生します。また過回内により脛骨内側に付着する筋肉に過度の牽引力がかかり付着部の炎症と疼痛を引き起こします。
症状
- すね(脛骨)の痛み
- スポーツでの痛み
- ジャンプやダッシュ時の痛み
- 熱感
シンスプリントの症状は4つの時期に分類されます
grade Ⅰ
運動後にのみ疼痛(痛み)がある
痛みが出始めると初期は運動後に痛みを感じるが、運動時や日常では問題がありません
grade Ⅱ
運動前・後に疼痛があるがスポーツ活動に支障はない
ウォーミングアップや運動後は痛みを感じるが、運動時(身体が暖まれば)は痛みを感じません
grade Ⅲ
運動前・中・後に疼痛がありスポーツ活動に支障をきたす
運動中でも痛みが出るようになりプレーに影響が出るようになります
grade Ⅳ
疼痛が強くスポーツ活動は不可能に
運動中や日常生活でも痛みが出るようになりプレーすることも困難になります
さらに進行すると
疲労骨折を発症
痛みを抱えて無理に運動を続けると疲労骨折に移行してしまうため注意が必要です。脛骨の骨膜に痛みが強い場合は超音波画像診断やX線検査を行い、疲労骨折がないか確認することが大切です
治療法
ストレッチ・アイシングなどのセルフケアが重要!!
シンスプリントは基本的に保存療法であり、下腿周囲の筋緊張の緩和・ストレッチや患部に対しての物理療法などで炎症と疼痛を軽減させていきます。疼痛が強い場合は、薬物療法として非ステロイド系抗炎症剤を処方されることもあります。完全に休養しなくても練習量と内容を見直し、ランニングやジャンプ動作を制限して練習前後のストレッチやアイシングを徹底します。慢性化する場合もあるので、早期に治療することが非常に大切です。
疼痛緩和と筋緊張の除去、炎症の抑制を目的に徒手療法や鍼灸治療・物理療法を行います。
- 下腿スポーツマッサージ
- 関節モビライゼーション
- 鍼灸治療
- 超音波治療
- 干渉波・ハイボルテージ・EMS
- マイクロカレント(微弱電流波)
- 冷罨法(アイシング)
- テーピング
アライメント不良・スポーツ時のパフォーマンス不良がある場合にはフィジカル機能に対しての修正が必要になり、効率的な統合運動能力の獲得を目指します。